橄欖岩(かんらんがん)」
 この度、湯島マンションを引っ越しのため、本を整理していたら、恩師の井尻正二さんの「地球の起源と歴史(法政大学出版局刊」」出てきて、様似にある幌満鉱山はニッケルを採掘する代表的鉱山という記載があり、急に橄欖岩の事を思い出しました。
 この本は、相続税申告の依頼者の家の本棚にあったものをいただいた本でした。
橄欖岩といきなり、難しい漢字で読めないと思われます。
また、顧問先の人がこの井尻正二さんの「先祖を訪ねて億万年」という本を通販で探し出し、打ち合わせの時に持参してくれました。この本は絶版でプレミアムがついてすごい値段となっていました。私所有のこの本は、様似の図書館に寄贈しました。
令和5年7月31日のブログで「アポイの橄欖岩」という題でとりあげましたが、再度のブログの題材となりました。橄欖岩という、命名は色が「カンラン」という植物の実に似ているので、命名したとの事です。
また、英語ではオリビン(OLIVINE)と言いますが、オリーブの実のオリーブ色からの命名です。
宝石となると、オリーブグリーンの色の「ペリドット」という名で8月の誕生石のジュエリーとなります。
令和6年7月20日に「日高山脈襟裳十勝国立公園」として新たに指定されたのは、地球の造山運動によるものです。
ユーラシアプレートと北米プレートの衝突から海洋プレートのマントルがめくりあがり地底深いマントルが、隆起してできた岩が橄欖岩なのです。NHKのテレビ番組でユーラシアプレートと北米プレートの衝突が日高山脈であり、突端の境目が私の出身地である北海道の様似町に露出している場所があると放送されていました。
小笠原諸島に向かう途中の、太平洋の絶海に浮かぶ謎の孤高の100メートルの奇岩の岩柱「孀婦岩・そうふがん」も橄欖岩からなると言われています。
父の勤務していた、現「新日本電工」という会社が、幌満川に水力発電所を建設するため、ダム工事で、川の岩盤を破壊するのに「発破・ハッパ」をかけても、なかなか破壊されない岩盤があり、地質学者に調べてもらって橄欖岩だったと判明したというエピソードがありました。
橄欖岩は硬く、重く漬物石には最適ですが、地球の歴史を感じながら食べる漬物は味わい深いものでしょう。
2011年3月11日東北地方太平洋沖地震は、太平洋プレートと北米プレートの境界で発生したものであり、南海トラフ地震はユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界で繰り返して発生している地震です。
地球誕生から約46億年、現在の日本列島の地質体は5億年以上かけて形成され、中新世と呼ばれる時代の1500万年前頃に日本海が形成され大陸から分離してほぼ現在の日本列島が形成されたという事です。
子供時代には、貝殻の化石を掘って遊んでいましたが、地質学を学ぶと地球の歴史からすると大変の場所で生活をしていたと実感しています。様似の山にも、石灰石も露出していますが、海の貝殻の層の地底が隆起したという証でもあります。
知人がアンモナイトの化石を川で発見したと聞き、他人に差し上げたというので、価値の解る、私が入手できれば、価値が増したと思いました。
北海道のシシャモで有名な鵡川町では、「鵡川竜・ムカワリュウ」という恐竜が発見され、同時に「アンモナイト化石」が沢山発見され、その昔は海であったという証でもあります。
エベレスト、アルプス、日本の山の頂上から、アンモナイト化石が発掘されるということは、人類誕生以前からも地球の歴史では凄まじい造山運動の産物です。
私の子供時代の北海道には、カブト虫、ゴキブリ、柿の木、杉の木、ツキノワグマ、ニホンザルは存在していませんでした。これは、博物学者のトーマス・ブレーキストン(1832-1891年)が、人間以外の動物にとっては、本州・内地と北海道の間の津軽海峡を越えることが困難のためであると指摘しています。二万年前の氷期には北海道は樺太とつながっており、大陸と陸続きであったので、シベリアから、マンモス、縄文人が渡ってきたと推測されています。
ナウマン象は、野尻湖含む本州各地で発見されているが、北海道の忠類村で発見されたのは、人もナウマン象、オオツノシカの獲物を追って津軽海峡が陸続きの時代に渡ったからです。
現在、温暖気候で色々の弊害もありますが、日本でも氷河時代があり、温暖となり、氷が溶けて海水が上昇して浸食されて今の地形を成しています。46億年の地球誕生の歴史からすれば、この氷河期でさえ、ごみにも点にもならない時代なのです。
氷河期といっても就職氷河期という言葉もありましたが、人間働く意思あれば、「人間至ると処青山あり」です。
様似町に帰り、近年実感することは、暖冬で川が凍らない、氷河、流氷が溶けて海水量の増加により砂浜が浸食されて波が人家ギリギリまで来たり、漁業では鮭が不漁で鰤、オオズワイカニが取れたり異変が起きています。
気候異変で、春の来ない冬はないというが冬のない時代、または氷河期が来るかもしれませんが、朝の来ない夜だけは続きますように祈りたい。
現代は恐竜、マンモス象、ナウマン象、アンモナイトは、滅亡して存在していませんが、クレームモンスターは蔓延っています。
地球プレートもストレスが溜まると大きな地震災害になるので、人間も地球プレートもストレスをためないように、適当に爆発・発散出来るようにしたいものです。
令和7年2月28日
小関勝紀